@misc{oai:sucra.repo.nii.ac.jp:00010209, author = {実藤, 俊史}, month = {}, note = {51p, 不安定な量子系が指数関数的に崩壊することはよく知られている. しかしこれは厳密なものではなく,崩壊の初期(量子Zeno 効果)や十分に時間が経過した後(べき崩壊)では崩壊は指数関数からずれることも知られている. この論文では, これらとは異なった現れ方をする指数関数からのずれを見る. このずれは, 1) 小さなQ-value を持った, 2) s-wave, での崩壊(SQS decay)が起こったときに現れ, 全時間領域で指数関数からずれるという大きな特徴がある. この論文の前半では, まず不安定な量子系の崩壊を一般的に考え, その考察をもとに指数関数がどのような状況で消えるのかを調べて, 上記の条件を定量的に導く. さらに具体的な例を通してSQS decay がどのような崩壊なのかを見る. ある物理系の崩壊で上記の2 つのSQS decay の条件が満たされると, その崩壊は非指数関数的なものになる. したがってそのような物理系の研究では, そのことを意識した取り扱いが必要になる. そこで後半では素粒子物理学でSQS decay が現れ, 観測される可能性を調べる. 具体的には, minimal supersymmetric standard model (MSSM) でnext lightest supersymmetric particle (NLSP) のlightest supersymmetric particle (LSP) への崩壊がSQS decay となっている可能性を調べる. なおこの論文では, NLSP としてτ レプトンのsuperpartner であるstau を, LSP としてBino-like neutralino を考える. ただしBino はB ボソンのsuperpartner である. このプロセスに注目した理由は, 宇宙論的な背景からこれらの粒子の質量は数%まで縮退している可能性があるので, SQS decay の条件を満たす可能性が高いからである. 後半のはじめではこの崩壊のdecay rate の計算をする. 得られたdecay rate はいくつかのパラメーターに依存するので, 次にその依存性を考慮しつつSQS decay の条件が満たされる可能性を調べる. その結果, このプロセスではナイーブにはSQS decay は起こらないことがわかる. しかし外部の環境との相互作用がある場合には, ナイーブにはSQS decay の条件を満たさなくても崩壊が指数関数則からずれる可能性がある. NLSP 観測での現実的な外部環境としては, 高エネルギーの加速器で生成されたNLSP を集めるストッパーが考えられる. これらをもとに今後の研究の課題や将来の展望をまとめる., 指導教員: 埼玉大学大学院理工学研究科准教授 佐藤丈, text, application/pdf}, title = {不安定な量子系の非exponential decayのメカニズムと素粒子物理学への応用}, year = {2005}, yomi = {ジットウ, トシフミ} }