{"created":"2023-05-15T15:23:24.757541+00:00","id":10216,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"312f8556-4cbe-40d1-84a3-6ccfea06e3c9"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"10216","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"10216"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:sucra.repo.nii.ac.jp:00010216","sets":["92:671:672:682:683"]},"author_link":[],"item_113_biblio_info_9":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2007","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_113_date_35":{"attribute_name":"作成日","attribute_value_mlt":[{"subitem_date_issued_datetime":"2009-03-27","subitem_date_issued_type":"Created"}]},"item_113_description_13":{"attribute_name":"形態","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"v, 180p","subitem_description_type":"Other"}]},"item_113_description_18":{"attribute_name":"識別番号 その他","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"学位記号番号 : 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戦後の金融行政が体系的に開始された1949年から高度成長期にいたる復興過程を対象とする。戦後の混乱期のなか、レーディスによってもたらされた金融検査の定型化による銀行自己資本の把握とシャウプによってもたらされた貸倒準備金(引当金)制度による貸倒への備えにより不良債権に係る金融行政は方向づけられた。金融検査は①厳密な資産査定②査定結果による実質自己資本の把握③不良債権償却制度による貸倒の事実認定の3点を中心的役割として再生された。金融検査により金融機関の脆弱性を確認した金融当局は要整理債権的とされるⅣ分類債権・Ⅲ分類債権の処理を銀行に強制することなく、貸倒準備金制度を活用した対応を求めていったのである。 \n正常化期(1955〜1965年)\n 一人あたり国民所得が戦前の水準に回復した1955年から1965年不況に至る高度成長期前半を対象とする。「金融正常化」が中心目標として掲げられ正常化が達成されていく時期である。租税特別措置の整理に関連し貸倒準備金のもつ利益留保的側面が制限されると、金融当局は有税償却・引当による不良債権処理を求めていった。 \n成熟期(1966〜1991年)\n高度成長期後半から安定成長期の終りまでの25年間を対象とする。1965年前後に銀行の健全性を確認した金融当局は統一経理基準において要整理債権的とされるⅣ分類債権・Ⅲ分類債権の一応の処理体制を完成させた。しかし、おそらく銀行儲けすぎ批判が影響したものと思われるが、貸倒引当金制度の法定繰入率が利益留保的と見做されたため、Ⅱ分類、特に米国基準Substandard相当の債権のもつ信用リスクに対する合理的な管理に係る制度設計がおこなわれなかった。このためⅡ分類債権のもつ信用リスクは保有・先送りされる体制となった。適正な管理体制を欠いた中でのバブル崩壊による企業財務の悪化は不良債権の拡大につながった。また、この時期大口融資に対する明示規制が制定・法制化されたが、その主眼はむしろ信用リスク管理にはなかった。 \nバブル崩壊期(1992〜2000年) \nバブル崩壊から2000年までを対象とする。バブル崩壊後Ⅱ分類債権の処理が求められ、Ⅱ分類、中でも米国基準Substandard相当の債権に関する認識・処理方法が拡充していくが、バブル崩壊過程で積みあがった信用リスクは従来の金融当局による通達行政では処理することができず、早期是正措置等法的規制による枠組みの導入、それにつづく立法府の関与により最終処理(把握・引当のみでなく、「債権放棄」によるバランスアウト)が図られ、金融支援の中心も「債権放棄」となったのである。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_113_description_25":{"attribute_name":"注記","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"指導教員 : 埼玉大学大学院経済科学研究科教授 伊藤 修","subitem_description_type":"Other"}]},"item_113_description_33":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"text","subitem_description_type":"Other"}]},"item_113_description_34":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_113_publisher_11":{"attribute_name":"出版者名","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"埼玉大学大学院経済科学研究科"}]},"item_113_publisher_12":{"attribute_name":"出版者名(別言語)","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"Graduate School of Economic Science, Saitama 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