@misc{oai:sucra.repo.nii.ac.jp:00010261, author = {塙, 雅典}, month = {}, note = {v, 95p, 近年、ディジタルセルラフォンやパーソナルハンディフォンなどの移動音声通信システムが急速に普及しつつある。これらのシステムのユーザ数のさらなる増加によって周波数帯域の不足が問題となり、この問題を解決するために高能率な情報源符号化システムが必要となることが予想される。一方、移動音声通信システムでは無線通信路を用いるが、無線通信路ではフェージングなどの影響で通信環境が大きく変動し多くの通信路誤りが重畳するため、劣悪な通信環境下での通信を可能とする通信路符号化を行なわなくてはならない。従来、通信路誤り対策には、情報源符号化と通信路符号化を縦列接続することでそれぞれを独立して行なうタンデム符号化を用いることが一般的であった。しかし近年、より高能率な符号化システムの実現を目的として、情報源符号化と通信路符号化を同時に行なう情報源-通信路統合符号化方式の検討が行なわれている。本論文では、高能率な符号化を可能とするベクトル量子化において通信路誤りを訂正可能にする新しい情報源-通信路統合符号化方式について述べ、次にその手法を実際の音声符号化システムへ応用した例について述べる。 第1章では、まず、音声の情報源-通信路統合符号化へのベクトル量子化の応用の歴史について述べ、本研究の位置付けを行なう。 第2章では、本研究を理解する上で必要な基礎知識として、従来の音声符号化システムおよび従来の情報源-通信路統合符号化法について総括し、その問題点を整理する。 第3章では、新しい情報源-通信路統合符号化法として、遷移を制約したベクトル量子化(CTVQ)を提案する。CTVQでは、ベクトル量子化のコードベクトル問の遷移を制約して符号化に用いることで、符号器が出力可能な符号系列を制約する。通信路で符号系列に誤りが重畳した場合には、受信符号系列はこの制約を満たさなくなるため。復号器において通信路で符号に重畳した誤りが検出可能となり、さらに畳み込み符号の復号と同様にビタビアルゴリズムを適用することによって誤りの訂正が可能となる。第3章で提案する手法は、ベクトル量子化のコードベクトルとトレリスの状態を対応させる手法であり、状態ラベル辺CTVQ(LS-CTVQ)と呼ぶことにする。LS-CTVQを用いて符号化することで、従来のタンデム符号化により符号化する場合と比較して6dB以上劣悪な通信環境において同じ復号品質が得られ、優れた誤り耐性を示す。 CTVQの誤り訂正はトレリス上でビタビアルゴリズムを実行して行なわれるが、この時に必要な計算量と記憶量はトレリスの状態数に比例する。LS-CTVQではコードベクトルとトレリスの状態が対応するため、ベクトル量子化の精度を向上するためにコードベクトルを増やした場合、同時に誤り訂正に必要な記憶量と演算量も増加してしまう。第4章では、この問題に対処する改良法として、遷移ラベル型CTVQ(LT-CTVQ)を提案する。LT-CTVQではLS-CTVQとは異なり、トレリスの状態間の遷移にコードベクトルを対応させたうえで、全コードベクトル数よりも状態数を少なく設定する。これによってLS-CTVQに比べて計算量と記憶量を低減することが可能になる。LT-CTVQにおいて状態数を少なく設定して計算量を抑えた場合、LS-CTVQに比べてわずかに量子化ひずみが増大するものの、ほぼ同程度の通信路誤り耐性を有し、計算量と記憶量の低減に有効であることを示す。 続く第5章では、CTVQの実際の音声符号化システムへの応用例として、残差励振線形予測(RELP)音声符号化システムにLT-CTVQを適用して構成した、2.8kbps音声符号化システムについて述べる。このシステムでは、RELPシステムの出力をLT-CTVQで符号化することによって、高能率化と誤り耐性の強化を同時に行なう。LT-CTVQを用いて構成したシステムでは、情報源符号化に有限状態ベクトル量子化、通信路符号化に畳み込み符号を用いたタンデムシステムに比べて、7dB劣悪な通信路においても同じ品質の音声通信が可能であることを示す。 第6章は結論であり、本論文を総括する。, 主指導教官 : 小林禧夫, text, application/pdf}, title = {遷移を制約したベクトル量子化による音声の情報源 : 通信路統合符号化方式に関する研究}, year = {1995}, yomi = {ハナワ, マサノリ} }