@phdthesis{oai:sucra.repo.nii.ac.jp:00010315, author = {森, 智史}, month = {}, note = {ix, 115p, 頼まれたものを取ってきてくれるようなサービスロボットを実現するためには,物体認識の能力が必要である.物体認識の技術は進歩しているが,まだ複雑な環境で自動で確実に物体の認識を行うことは難しい.そこで,自動で認識できない場合には,ユーザから対象物の属性についての情報を,対話を通じて与えてもらうことで認識を行う対話物体認識を検討している.しかし,人間の表現は多様であり,同じものに対して様々な表現を用いり,同じ表現でも状況により違った物体を指すことがある.そこで,そのような多様な表現を整理して,それに対応したシステムを実現するために,対話物体認識用のオントロジーを検討した.今回は,表現の多様性が特に顕著な形状属性について実際にオントロジーを構築し,対話による形状認識の実験システムを実現した.様々な日常品を用いた実験によりオントロジーに基づく認識の有効性を確認した.  第1章では,現状での世の中の技術の問題点を整理し,本研究の目的,背景,課題を示す.また,第2章以降には,問題のアプローチや実験方法,解決方法,実験評価等を示す.  第2章では,参加者を用いた会話実験で,どのような形状表現が使われるか調べた.人間同士の対話の観測実験(実験1)を行うために,サービスロボットに持ってきて欲しいと思う食べ物や文房具などの物体を集めた.テーブルに多数の生活品をランダムに配置しておき,「指示者」と「回答者」を組とする.指示者は回答者に欲しい物の形状を伝える.回答者は依頼された物が何かを判断して,推定物を回答する.今回の実験1で,回答者には「形状を表現するように」と指示した.ただし,それ以上の細かい指示はしなかった.10組の参加者(全員,大学生)に対して伝達実験を行い,143の形状表現を収集した.  また,実験1を通じて,同じ表現でも異なる幾何学的形状を指す場合があることに気付いた.同じ言葉で表現される可能性のある物体が複数あった場合,その言葉ではどの物体が指示されるか調べることにした.例として「丸いもの」という表現について,Thurstoneの比較判断の法則に基づく一対比較法を用いて実験的に調べた(実験2). 57人の参加者(全員,大学生)の協力を得て,「丸い」に該当する形状の優先度を計測することができた.  実験1,2により収集した「人の形状表現の語句」と「ロボットが理解できる表現」を結び付け,オントロジー(体系化)を作成した.オントロジーの構築には法造を用いた.この形状表現に関するオントロジーは,ロボットが人間の依頼内容を理解するための知識を支援するものとなる.  第3章では,収集した物体表現に基づいて作成した物体認識システムについて述べる.画像検出用のカメラは,Kinect(深度センサー付き赤外線カメラ, RGBカメラ)を用いる.Kinectの深度センサーにより,Kinectを用いて,物体の領域を検出し,対象物の領域を構成する画素の3次元座標を検出する.3次元座標データから,物体の幾何学形状を判定する.また,法線ベクトルを計算し,ベクトルの数と向きにより,物体を構成する面の数と向きを確認し,物体の凹凸部分を検出することを検討している.  また,第2章で作成した「人が表現に用いる形状特徴」を体系化したオントロジーの構成を元に,各々の形状特徴検出のプログラムの構成や関連性を整理することができた.  第4章では,第3章で作成した物体認識システムを用いた対話形状認識システムについて述べる.ロボットは,フランスのLDEBARAN Robotics社が開発・生産しているNAOを用いる.ロボット(もしくはPC)の視覚機能として,マイクロソフト社のカメラKinectを用いる.  実験にユーザに名前で指示された物体に対して自動認識を行い,それが検出できない場合に対話物体認識に入るという統合物体認識システムの実現を目指して開発を進めている.そこでは形状だけでなく色や材質,それに位置関係など,その場の状況に応じた適当な属性について対話を行う方法を検討することを考えている.今回は,第2章で提案した「物体形状のオントロジー」の有効性を確認するために,「形状」に関する対話の部分に限った実験システムを開発した.「物体形状のオントロジー」を用いて,ロボットに人の命令を理解させ,人が求めている物体に該当する物をカメラ画像上から検出する.候補が複数ある場合には,第2章の実験2のように優先度をつける設定にする.  第5章では,対話物体認識システムの有用性を検証するために行った実験について述べる.2章の実験で用いた物体から3~5個程度を選び,テーブルの上に置き,形状に関する対話の実験を行った.以下に代表的な例を示す.ここでは,システム(S)は初めに「どんな形ですか」と聞く,以下では,それ以降のユーザの入力(U)とシステムの対応を示す.実験で使用された対話回数と,認識の成功・失敗の割合を調べ,システムの性能を確認した.  最後に,第6章で上記の研究のまとめと今後の課題について述べる., 第1章 序論 ........................................................ 1 1.1 研究背景 .................................................... 1 1.2 関連研究とその問題点 ........................................ 6 1.2.1 統計的機械学習 .......................................... 6 1.2.1.1 1960年代の研究 ..................................... 6 1.2.1.2 1990年代以降の研究 ................................. 7 1.2.1.3 既存の自動物体認識に対する問題 ..................... 10 1.2.2 対話学習 ............................................... 13 1.2.3 オントロジーによる知識表現 ............................. 14 1.2.3.1 システム開発におけるオントロジー ................... 14 1.2.3.2 ロボットに導入するオントロジー ..................... 15 1.3 研究の目的 ................................................. 18 1.4 論文の構成オントロジーによる知識表現 ...................... 19 第2章 人間の用いる表現に対応する物体形状オントロジー ............. 22 2.1 人の用いる物体の表現の特徴(会話の特徴) .................... 22 2.2 調査1:形状に関する人の言葉の特徴 ......................... 26 2.2.1 概要 ................................................... 27 2.2.2 結果と考察 ............................................. 28 2.3 調査2:同一表現による異なる形状の表現 ..................... 30 2.3.1 概要 ................................................... 30 2.3.2 結果と考察 ............................................. 31 2.4 対話物体認識用オントロジーの全体の構成 ..................... 34 2.5 形状表現オントロジーの構成 ................................. 37 第3章 形状認識の手法 ............................................. 42 3.1 3次元座標情報と視点方向による形状判定 ..................... 43 3.2 法線ベクトルのグループ分けによる形状判定 ................... 47 3.3 形状特徴の検出 ............................................. 52 3.3.1 全体的な幾何学形状検出 ............................... 52 3.3.2 全体的な非幾何学形状検出 ............................... 55 3.3.2.1 凹凸面 ............................................. 55 3.3.2.2 文字形状検出 ....................................... 56 3.3.3 上面・側面形状 .......................................... 57 3.3.4 部分形状 ............................................... 58 3.3.4.1 角形状判定 ....................................... 58 3.3.4.2 穴の空いた物体 .................................... 61 3.3.4.3 模様検出 .......................................... 62 3.3.5 物体の大きさの判定 .................................... 63 第4章 オントロジーに基づいた対話認識認識システム構成 ............. 64 4.1 物体認識手法の構成 ........................................ 64 4.2 対話認識実験でのハードウェア構成 .......................... 67 4.2.1 使用するロボット ....................................... 67 4.2.2 使用するカメラ ......................................... 69 4.2.3 使用するマイク ......................................... 70 4.3 対話認識システムの構成 .................................... 70 4.3.1 音声認識モジュール ..................................... 71 4.3.2 言語理解モジュール ..................................... 74 4.3.3 物体認識モジュール ..................................... 75 4.3.4 音声発話モジュール ..................................... 75 4.4 オントロジーによる言葉理解 .................................. 76 4.5 画像形状検出 ................................................ 77 4.6 ロボットの動作 ............................................ 79 4.6.1 Naoの位置と関節角度 ................................... 79 4.6.2 ワールド座標の取得 ...................................... 81 第5章 実験 ....................................................... 86 5.1 基本動作確認実験 .......................................... 86 5.2 性能評価実験 .............................................. 89 5.3 対話認識失敗の例 .......................................... 94 5.4 対話認識失敗の対処方法 ..................................... 96 第6章 まとめ ..................................................... 98 謝辞 .............................................................. 100 発表文献 .......................................................... 101 参考文献 .......................................................... 102, 主指導教員 : 久野義徳, text, application/pdf}, school = {埼玉大学}, title = {物体形状オントロジーに基づく指示形状物体の認識}, year = {2014}, yomi = {モリ, サトシ} }