@article{oai:sucra.repo.nii.ac.jp:00017297, author = {齊藤, 享治}, issue = {1}, journal = {埼玉大学紀要. 教育学部. 人文・社会科学}, month = {}, note = {地殻変動が継続的に進む山地の発達段階は、Ohmori(1978)により、3期に分けられている。隆起が始まり、一定の速度で隆起が進むと、最初のうちは、山地の平均高度が急激に大きくなる。しかし、徐々に山地の削剥も著しくなり、平均高度の増大が鈍る。ここまでが第1期である。その後、山地での削剥の速さが隆起の速さと等しくなり、平均高度が一定に保たれる第2期を迎える。隆起速度の大きい山地ほど、その平均高度が高くなり、さらに、第2期に至るまでの時間も短い。隆起速度が落ちたり停止したときには、平均高度が低くなる。この段階が第3期である.これらの3期は、吉川(1984)により、成長期、極相期、減衰期と名付けられた。日本の山地は、すべで成長期にある(Ohmori1978)。最も若い段階(早期)にあるのは、宗谷丘陵で、やや開析された準平原とみなされる。ついで、前期の段階にあるのは、天塩山地などで、地形変化は比較的小さい。中期の段階にある山地は、数多い。そのなかで、若い段階(中期前半)の山地は、中国山地などである。それよりも進んだ段階(中期後半)の山地として、四国山地などがある。中期後半の山地では、平均高度の増加速度が大きく、削剥が速くなっている。このため、山麓には、扇状地のような堆積地形が盛んに形成されるという。さらに段階の進んだ後期の山地のなかで、飛騨山脈は、最も進んだ段階の山地である。後期の山地は、定常状態に達しつつあり、地形変化はもはや大きくないという。このような山地の発達段階と扇状地の分布・規模の関係について、日本では、成長期の中期後半に扇状地をもつ流域(集水域面積100k以上の流域)の割合が高くなり、しかも扇状地の発達規模が大きくなっていることが明らかになっている(斉藤、1986)。これは、中期後半から、山地の平均高度の増加速度が大きく、削剥も速くなったことを反映している(Ohmori、1978)。台湾では、最も若い山地は中期前半の海岸山脈であり、ついで中期後半の阿里山山脈、後期の雪山山脈、中央山脈とつづき、最も進んだ段階の山地は極相期に達している玉山山脈となっている(斉藤、1989)。台湾でも、中期後半から扇状地をもつ割合が高くなっている可能性が指摘され、また扇状地規模は、中期後半から大きくなっている(Saito、1993)。このように、日本や台湾のような温帯湿潤地域の変動帯では、山地の発達段階が中期後半から扇状地をもつ割合が高くなり、扇状地規模も大きくなるという共通の特徴が明らかになっている。方、化学的風化作用が盛んなため、細粒物質の供給が多くなる熱帯湿潤地域の変動帯では、扇状地の分布や発達規模がどのようになっているのか、比較するために、本論文では、フィリピンを対象地域として検討した。, text, application/pdf}, title = {フィリピンの山地の発達と扇状地}, volume = {46}, year = {1997}, yomi = {サイトウ, キョウジ} }