@article{oai:sucra.repo.nii.ac.jp:00019573, author = {高橋, 克也}, issue = {2}, journal = {埼玉大学紀要. 教養学部, Saitama University Review. Faculty of Liberal Arts}, month = {Mar}, note = {私の目に赤く見えているものが他人には実はまったく違った色、たとえば緑色に見えているのではないか。そのような想像が論理的に矛盾なく成立しうると考えている哲学者たちがいる。しかし、この所謂「逆転クオリア」は、色彩科学が教える諸事実と矛盾する空想であり、不可能である。色彩の体系は何らかの「逆転」を語りうるような単純で対称的な構造をもってはいないからだ。逆転クオリアというこのような空想科学の罠に陥らないためには、知識の追求を怠らないことが何より重要であるが、それに加えて、素朴で単純な日常的語彙を用いるだけでなく、質に関わる様々な関係性を表しうる言語を学び、用いていくことが必要である。本来、質すなわちクオリティとは、知覚における様々な関係性を内包する観念であり、それに対して、クオリアは、比較を絶した没関係的な内容を指すものでしかない。クオリアではなくクオリティの次元で考えてこそ、私たちは、哲学者たちの机上の空論に騙されずにすみ、そして、質をめぐる感性的認識の豊かさに対する本当の洞察をもつことができるのである。, text, application/pdf}, pages = {53--70}, title = {クオリアからクオリティへ : 「逆転クオリア」に騙されない批判的思考}, volume = {57}, year = {2022}, yomi = {タカハシ, カツヤ} }